まち歩きのファンは年々増えているそうです。ゆっくり歩くことで、車で回ったのでは見えて来なかったものが始めて見えてくるものです。民家の並ぶ集落の路地を歩き、農地や山の小道を歩き、自然や史跡に親しみ、古くから営まれている伝統ある商店や気持ちのこもった商いをする小さなカフェや雑貨店を楽しむ。ゆっくり歩く散策の旅は、急ぎ過ぎている日常をリセットする心地良いリズムを楽しむ旅でもあります。
つなぐNPOさんでは、山梨県内のあちこちの地域で増えて行われている地元のまち歩きツアーを盛り上げようと、昨年、イギリスの散策型観光の「フットパス」という呼称を取り入れ、まち歩きツアーを行っている地元組織をネットワークして「フットパスリンク」を立ち上げました。フットパスガイドさんを養成したり、さらに興味深いフットパスコースを開拓してガイドブックを作ったりという活動が始まっているそうです。「まちミュー」も、「まちミューフットパス」と名前を改めています。活動が広がりそうで楽しみです。
◎やまなしフットパスリンク
http://www.footpathlink.net/
2011年12月20日(火)の、市川三郷町を歩くツアーに参加させていただきました。
【コース】(約3.5km)
市川大門駅→青柳瑞穂生家跡→弘法大師の手形「印石」→イボ地蔵→「紙の神様」をまつった弓削神社→江戸時代の味噌蔵が残る青柳家→民家の屋根より高い天井川の印沢川→流通寺のビャクシン→干し柿の古田農園→愛宕社→浅間神社の神事が行われている「三枚橋」→市川大門駅(※下記のレポートは、この順番ではありません。)
朝9:30に身延線「市川大門」駅前に集合。この日の参加者は約30名ほどで、ほとんどの方がまちミュー年会員になって年に何度か参加されている常連さんさんだそうです。こうした根強いファンによって、山梨のまち歩きは支えられているんですね。
ツアー中の総合MCを務めるのは、つなぐNPOさんのベテラン人気ガイドさんです。リーダーの山本育夫さんも、しっかりコーディネート役をされています。
案内役のガイドさんは地元の公民館長さんです。まちミューフットパスは、このように地元の方がツアーを受け入れツアーをサポートしてくださることが魅力なんですね。コースを回ると、一見さんでは見られないものを見ることができたり、お茶やお菓子をいただいたり、休憩所やトイレを提供してくださったり。地域に愛着が湧き、また来ようと思えるツアーです。
この日歩く市川三郷町の集落は、かつて富士川交易で栄えた富士川街道沿いの宿場町でもあったエリアで、歴史のある神社があります。
弓削(ゆげ)神社は、この辺りの集落で紙すきが盛んだったことで、紙の神様が祀られているそうです。「ゆげ=弓削」の名前の由来は、その昔、この地に留まっていた大伴武日命が、東征を成した日本武尊から「ゆきべ=靭部」を賜り、その名称がなまって「ゆげ」となったらしい、とのこと。
市川郷と称されるこの一帯の一宮神社である「浅間神社」です。
日蓮宗の「流通寺」で休憩させていただきながら、住職さんの訓話を伺いました。このお寺の境内にあるビャクシンの樹は樹齢約400年ということで、県指定文化財にもなっているそうです。
市川郷の名主を代々務めていた青柳家。母屋は築約150年、味噌蔵は築約300年だそうです!敷地の隣には、かつての青柳家の屋敷神と道祖神があります。
甲州名物「コロ柿」作りははこの辺りでは盛んのようで、あちこちで見かけました。オレンジ色の輝きはこの時期の風物詩ですね。コロ柿製造者さんの大量のコロ柿干し場は珍しい風景でした。
畑の中にあるお地蔵様「イボ地蔵」を拝見。お地蔵様の顔をこすって粉をイボに付けると治るとされ、昭和30年代までこの地域で信仰されていたそうです。田んぼの中のお地蔵さまは、のどかな風景です。
民家の庭木にじんわりと季節を感じるのも、のんびり歩くフットパスツアーだからこそでしょう。歩く目線でしか見えて来ないものを改めて発見した小さな旅でした。
【お問い合わせ】
つなぐNPOイベント係
TEL.080-1223-8302
http://www2a.biglobe.ne.jp/~yamaiku/
